クッションゴムを作る。(その9)

クッションゴム溶着での失敗を減らすには

私は海上釣堀用のクッションゴムは手作り材料を買ってゴムを溶着して作っています。ただ、溶着作業は難しいところがあります。難しいところとしては温度です。温度を誤るとゴムを強く引っ張ってみると溶着箇所が剝がれてきます。説明書をみたら300度の温度で接着してくださいとあります。この300度の温度はどうして出すのという思いがあります。そこで、試しに温度設定が可能な半田こてが家にあったのでこれで300度の温度を出せるのではと思い、ゴムを溶着をしてみました。

説明書では「バターナイフを300度の温度まで熱していく」とありますが、この温度はどうやって出すのといいう思いがありました。

このはんだこては温度設定が可能なこてです。これで300度の温度でゴムを溶着してみました。

なお、このはんだこての先端の形状は付属品にナイフ形のものが付いていたものでしたのでこれに付け替えています。

はんだこての温度を目盛りで300度の温度設定で溶着してみました。最初の何回は失敗したのですが結果としては溶着は上手くできました。使用は十分に可能です。ただ、溶着箇所の幅が狭い。

後記:ホットシーラーを使って溶着してみる。

半田こてでは溶着箇所の幅が狭いのでネットでみていたら「ホットシーラー」という熱加工の作業で使う工具がありましたのでこれをクッションゴムの溶着でも使えるのではと思い。思い切って購入してみることにしました。上手く行かない場合は無駄になるかもしれませんでした。なお、購入したのは温度設定(温度調節)が可能なホットシーラーのヘラ型タイプです。

購入して結論から言いますと。ホットシーラーはクッションゴムの溶着には使えます。ただ、ホットシーラーのヘラ型(ヘラの大きさは縦は10cmで幅は14mm程度)を購入したままで使うとちょっと使いにくいところもあったので、まず、ヘラを本体から外して、ヘラの曲がっているところをカットして、さらにへらの厚みが3mmもあったのでこれを先端の2cm程度を2mmに薄くしています。なお、機器本体の改造は危険なのでしていません。メーカーさんこんなへら型も作ってほしいです。

作業手順は

①ホットシーラーの電源を電力調節器のコンセントにさして電源を入れます。電力調節器の目盛りは中間か少し高い目に設定しています。溶着が行える温度になるのは10分以上はかかるかと思います。やけどには十分に注意してください。なお、ホットシーラーは自立タイプでしたが、不安定でしたので安定して焦げ付かない台(鉄の万力、バイス)を見つけてこれに置いて作業を開始しています。

②ペンチでゴムを第一精工さんのクッションゴムの作り方(上の写真)の様に挟みます。また、折り返しのゴムの長さは2cm程度でサルカンはペンチで挟まないようにずらしておきます。なお、説明書ではゴムをペンチ等で縦向きに挟んでいますが、これでは上手く行かなかったので、今はゴムをペンチで横向きに挟んでいます。また、挟んだ上下のゴムどうしが上手く重なるようペンチも少し加工しています。

③ゴムを挟んだペンチの口を1.5cm程度開けます。これに熱したホットシーラーのヘラ先をゴムに触れないようにペンチの口と平行にして奥(へら先の1.5cm位)にいれていきます。

④ペンチでヘラとゴムを同時に挟みます。挟む力は本当に軽く(感覚的には70g程度?)で、挟んでいる時間は一瞬(0.2秒程度?)でへらを横に振って抜きます。これ以上の時間で挟んでいるとゴムが溶けて上手く溶着できません。

⑤へらを抜いたあと、ペンチでゴムを軽く同じ力で20秒程度握って(挟む力は感覚的には500gから600g程度か)ゴムを溶着させていきます。この間にゴムがずれると、ゴムが動くと溶着は失敗します。溶着時のゴムの固定が重要です。

⑥次にに溶着が上手く行ったかを確認します。確認の方法は一方はサルカンをつまんで、もう一方はゴムをつかんで(溶着箇所から20cm程度離れた個所)両方からゴムを引っ張ていきます。引っ張る力は径2mm程度のゴムなら2kg位です。この力で引っ張ってみてゴムの溶着部がめくれあがってこなければ溶着は成功です。最初のうちは溶着箇所はめくれてきますが、何度もやっている内に問題なく出来るようになるかと思います。なお、私はこのホットシーラーでは50回以上練習してようやく上手く行くようになりました。ゴムは2m以上は使ったかもしれません。

⑦溶着後に折り返しの余分なゴムをハサミでカットします。カットの方法は小さいハサミをゴム同士の隙間の奥まで差し込んで少し斜めにカットします。

⑧最後にホットシーラーの電源プラグを抜いて溶着作業は完了です。

⑨一つ言い忘れていることがありました。溶着したシーラにしろバターナイフにしても、溶着毎に熱した器具に溶けたゴムが付くのでこれを取り除かなければなりません。そのままにしておくとこの溶けたゴムが次の溶着の妨げになります。溶けたゴムの取り除き方は私はカッターナイフを使ってそぎ落としをしています。

補足 ホットシーラーの替わりにバターナイフでも可能かと思います。ただ、300℃の程度の温度を出すのは経験でしかないかと思います。何度も失敗して分かってくるかと思います。なお、私はバターナイフの替わりに幅が12mm程度のカッターナイフ(刃先はヤスリで削って刃を落として安全にしています。)で溶着しています。カッターナイフの刃先をガスコンロで熱して赤くなったら、火から外して5秒間程度冷まします。この時が300℃ちょっと程度かと思います。それからホットシーラーのようにクッションゴムに挟んで溶着していました。なお、クッションゴムの溶着はゴムの径が太いほど溶着作業は上手く行きます。最初はゴム径は2.5mm以上が良いかと思います。慣れてくると2mmに挑戦です。また、ホットシーラーの購入は結構費用もかかるのでクッションゴムを沢山作りたい方はいいですが、年間に数個しか使用しないなら購入は控えられた方が良いかと思います。私はバターナイフより刃を落としたカッターナイフの方がお勧めです。

上の写真はこれまでのバターナイフでなくカッターナイフを使って溶着したものです。

上の写真はホットシーラーを使って溶着したもので、溶着の幅が若干広くなっています。

・補足2

この投稿で自作で作る際のクッションゴムの手順はほぼ完成形ですが、やはりメーカーさんはクッションゴムにもう一つ手を加えています。手を加えている所は折り返しのゴムの径が先端に行くにしたがって細くなっているところです。これは、同じゴムの太さのままだと、引っ張りに対して均一に伸びないからです。先端を細くすることで、引っ張りに対しても均一にゴムを伸ばして行くことで耐久性が増すと思います。これを出来ないこともないのですがここらで止めておきます。

  • X